2013年11月18日

サラリーマンの副業のによる所得の所得区分は事業所得?雑所得? 基準は「税務調査できちんと説明ができる事業ですか?」

(下記については、個人的な考え、感想を述べたものであり、正確なことをお知りになりたい方は顧問税理士等の専門家にご相談ください。当ブログ記事においては、正確な情報を提供するよう努力していますが、内容に関して、いかなる観点からも何ら保証をするものではありません。よって、当ブログ記事を読まれた方が、当該記事に基づき何等かの判断をされ、または/かつ、(その判断に基づき)何等かの行動をとられて、それが何等かの損害(経済的な損害も含むがそれに限られない)を蒙られた場合でも、当方では何らの責任を負うものではありません。また、あらかじめご了承ください。)

サラリーマンの方が副業として事業をされている方もいるのではないかと思います。

その際、それらの活動を経て稼得された所得(もちろん、損失の場合もあると思います)が、税務上どのような所得に該当し、どのように申告すべきか、という点について迷われることもあろうかと思います。

選択肢としては、事業所得、もしくは雑所得、があげられると思います。

雑所得とは、他の所得区分に分類されない所得、つまり、「その他の所得」ということですので、事業所得がどのような所得なのかを理解するほうが早いと思われます。

事業所得については、平19.12.4、裁決事例集No.74 37頁に以下のような基準が示されています。

最高裁判所昭和56年4月24日第二小法廷判決(昭和52年(行ツ)第12号所得税更正処分取消請求上告事件、以下「昭和56年最高裁判決」という。)及び平成11年10月15日裁決(名裁(所)平11第18号)で示された「事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、1営利性・有償性の有無、2継続性・反復性の有無、3自己の危険と計算における事業遂行性の有無、4その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度、5人的・物的設備の有無、6その取引の目的、7その者の職歴・社会的地位・生活状況などの諸点を総合して、社会通念上事業といい得るか否かによって判断する。」との判断基準によるべきである


この判例の中で言及されている、「最高裁判所昭和56年4月24日第二小法廷判決(昭和52年(行ツ)第12号所得税更正処分取消請求上告事件、以下「昭和56年最高裁判決」という。)」において、事業所得については、以下のような定義がなされています。

「すなわち、事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいい」


つまり、事業所得とは以下などの諸点を総合的に考慮して、社会通念上事業といい得るか否かによって判断する、とのことと理解できます。

1. 営利性、有償性の有無
2. 継続、反復性の有無
3. 自己の危険と計算における事業遂行性の有無
4. その取引に費やした精神的、肉体的労力の程度
5. 人的、物的設備の規模
6. 取引目的
7. その者の職歴、社会的地位、生活状況等の諸点


1.については単純に言うと、お金をもらえているか、ということでしょうか。つまり、経費ばかり立って収入がないと事業所得とは言えないということだと思います。

2.については事業として、継続してなされているか、ということだと理解できそうです。単発の収入であると雑所得となる可能性が高いということだと思います。

3.については抽象的な表現ではありますが、平16.9.27裁決、裁決事例集No.68 59頁(の「事務所の修理等は専ら賃借人であるF社が主導的に行い、賃貸料の決定はF社の業績が優先的に考慮されていることから、請求人における事業遂行上その企画性は乏しく危険負担も少ないと認められる。また、事務所は、F社が利用しやすいようF社が所有する事務所の1階とワンフロアで一体的に利用できるように改造されており、その構造からみて他に賃貸等が可能である等の汎用性がないなど、これらの点における請求人の自己の危険と計算における事業遂行性は希薄であると認められる。」(http://www.kfs.go.jp/service/JP/68/07/ )という表現から読み取ると、事業として「独自の企画」を行い、自ら「リスクをとっている」ことがが事業所得として認められる要件と考えられているようです。

4.はどれだけ労力を費やしているか、ということだと思われます。

5.および6.についてはあまり論点がないかもしれませんが、5.についていうと、一定程度、人的・物的設備がないと、事業といえない、ということでしょうか。

7.については「D 請求人の生活状況については、K社の代表取締役として同社からの安定的な給与収入を得ており、生活資金の大部分は当該給与収入によって賄われているものと推認されることから、本件不動産の貸付けは副次的業務にすぎない。」という(平13.4.26裁決、裁決事例集No.61 118頁 ( http://www.kfs.go.jp/service/JP/61/11/ )の判決における表現が参考になると思われます。

つまり、その所得が事業所得であるという主張をするには、その所得で生計が立てられているか、という点が大きく判断基準となるようです。サラリーマン、つまり給与所得者の副業においては、この点が大きく論点になる可能性が高いです。

もちろん、いきなり黒字を計上できるような事業ばかりではないでしょうから、当初赤字だったとしても、それそのものだけで事業所得が否定されるわけではないと思います。

もちろん、最終的に事業所得か雑所得かを判断するのは税務署ですが、事業所得であるという主張をすることは可能です。

要は、その主観的認識を第三者にきちんと「説明」できるかどうか、が論点となるわけです。その説明が一般的に理解できるものであれば、「社会通念性」という基準を満たしていると税務署にも判断してもらえるということだと思います。

足元では、サラリーマンの副業に基づく事業所得の申告(大半は赤字での申告)→還付金、という事例について一斉に調査がなされている、との話を聞きました。

売上が1000万円未満では税務調査は入らない、ということがネットなどで言われているようですが、上記の状況にかんがみると、必ずしも正しいとは言えない基準のようですね。

いずれにしても、事業を営むにあたっては、「覚悟」が当たり前のように求められ、それは税務上も同じということでしょう。白色申告者についても、帳簿保存義務が加重されたようですしね。

なお、上記については、個人的な考え、感想を述べたものであり、正確なことをお知りになりたい方は顧問税理士等の専門家にご相談ください。当ブログ記事においては、正確な情報を提供するよう努力していますが、内容に関して、いかなる観点からも何ら保証をするものではありません。よって、当ブログ記事を読まれた方が、当該記事に基づき何等かの判断をされ、または/かつ、(その判断に基づき)何等かの行動をとられて、それが何等かの損害(経済的な損害も含むがそれに限られない)を蒙られた場合でも、当方では何らの責任を負うものではありません。また、あらかじめご了承ください。





posted by Serendipity at 17:50| 千葉 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
事業所得における収入が小さくても、税務調査はきますよ。とくに、事業性についてしっかり説明をして、経費についてその事業性に沿った形での説明ができるかがポイントです。領収書があるのはマストです。
Posted by 税務調査 at 2013年11月24日 12:02
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
2005ブルゴーニュ 2005ボルドー ルイ・ロデレール 日比谷花壇 フラワーギフト 花のあるギフトセット アフィリエイトならリンクシェア JAL日本航空 先得