2011年04月25日

法律は原文を読め

仕事柄、法律に関連する問題解決を行わなければならないことが多いですが、基本はやっぱり自分で原文を読むことだと思います。

弁護士に「丸投げ」では、議論の焦点が定まらないことが多いというのが、私の実感です。

原文を読んで、自分なりの理解をして、その上で専門家と話をする。これがやっぱり遠回りのようで、納得感のある議論を展開する近道であるように思います。

法令データ提供システムという便利なシステムがあり、便利です。

法令データ提供システム:
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
posted by Serendipity at 23:30| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月27日

債権者保護手続き

仕事柄、債権者保護手続きを伴うこと(合併、会社分割、減資等々)を検討することが多くある。

その中で特に問題になるのが知れたる債権者への個別催告の問題だった。

自身の経験のなかでも、UFJ銀行が減資・減準備金(だったと思うけど怪しい。。。)を実施したときに、預金があったからはがきで催告が届いたような記憶がある。あのはがき、おいとけばよかったなぁ。

久しぶりに調べてみると、知れたる債権者への個別催告が不要になったとのこと。しかも会社法導入以前に変わっていたとのこと。。。具体的には株券不発行・電子公告制度が導入されたときらしい。勉強不足の至りですなぁ。

個別催告の省略に関する概要は以下の通りとなっている。

1.合併・減資・準備金減少および吸収分割の承継会社における債権者保護手続き

官報公告+日刊新聞紙による公告または電子公告を行えば個別催告は不要

2.会社分割における分割会社における債権者保護手続き

官報公告+日刊新聞紙による公告または電子公告を行えば個別催告は不要
ただし、不法行為によって生じた債権を有する債権者に対しては個別催告が必要

3.清算手続きにおける債権者保護手続き

債権者に対する個別催告の省略は不可

2.における「不法行為によって生じた債権」とは、環境損害や薬害等を想定しているらしい。つまり、巨大な偶発債務を負った会社が会社分割を行い、官報公告+日刊新聞による公告を行うだけで、うまくトカゲの尻尾切りができるような仕組みを排除するとうことらしい。

上記のような不法行為による債権の存在や債権者自体は、分割会社はその存在を知らないか、またはその責任を否定し裁判で係争している場合が多く、結果的に個別催告を行わないことが大半であることが想定される。
よって、個別催告を行わない限り、分割計画書または分割契約により債務を負担しないとされた会社も責任を負うこととされたらしい。
posted by Serendipity at 12:19| 千葉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月30日

会社法入門 神田秀樹著

最近、仕事が忙しいということを言い訳に、知識を積み上げるための読書をさぼりがちだった。

とくにUpdateが遅れていた会社法回りの知識は、「アドバンス新会社法 長島大野常松法律事務所編」に取り組んでいるが、もっとクイックに概要を把握しておきたいと思っていた。

そんな折に、今朝、ぶらっと立ち寄った駅の本屋さんで見つけたのが、会社法の権威、神田秀樹が書いた「会社法入門」なる文庫本を発見した。

まだ読みかけだけど、これなら通勤電車で読めそう。

夏が終わるまでには読み終われるよう頑張ろっ!!



posted by Serendipity at 10:30| 千葉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月26日

会社法の活用:凸版印刷による新株予約権付社債発行

2006年5月25日付で凸版印刷が新株予約権付社債(CB)をローンチした。

その特徴は以下のとおりであり、会社法により規定された取得条項を活用した内容となっている。

・130%転換制限条項
当初は、前四半期の最終30連続取引日のうち20取引日以上に渡って株価が転換価額の130%を上回る場合に限り新株予約権を行使可能。
最終1年間は、株価が転換価額を一度でも上回った場合に新株予約権の行使が可能となる。

・現金決済条項
米国において用いられるTSM(Treasurary Stock Method、高格付企業の間で、投資家による転換請求に応じて社債額面金額を現金、転換価値との差額部分(In the money相当額)を株式で交付する仕組み)を取得条項を用いることで実現した仕組み。

上記の仕組みにより、希薄化の抑制を実現している。

転換制限条項を最初に持ち込んだのもMerrill Lynchやったと思う。(確か発行体はニプロ?)

凸版印刷の事例についての詳細は以下のリリースをご覧ください。

ローンチ時のリリース
http://www.toppan.co.jp/ir/whatisnew/2006/info_07.pdf

条件決定後のリリース
http://www.toppan.co.jp/ir/publicnotice/01.pdf

定款変更に関するプレスリリース
http://www.toppan.co.jp/ir/whatisnew/2006/info_05.pdf
posted by Serendipity at 20:09| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

会社法(3) 株式:全株式の内容についての規定

2006年5月1日の会社法施行により、株式周りの規定が整理された。

従来の諸法改正の整理という側面もあるが、新しい仕組みも多く取り入れられているため、一度整理をしておきいたいと思う。ファンドビジネスにおいても正確な理解が必須の項目であると思う。

今回は株式会社が発行する全株式の内容について決めることができる項目について整理をしてみたい。

なお、この記事はすべて「アドバンス新会社法」(長島大野常松法律事務所編)に基づいている。非常に整理された内容となっている名著だと思う。

僕も初めてこの概念に触れたとき、あまりイメージがわかなかった。つまり、普通株式とか優先株式とかに限定されず、会社が発行する株式すべてに共通で規定することができる性質の規定、ということだ。

具体的には、会社法107条で規定されている。

1.108条に定める種類株式との発行手続きの相違点

《108条に定める種類株式》
その内容のうち法務省令に定める事項の全部または一部について、定款ではその要綱を定め、その最初の発行決議までに株主総会または取締役会の決議によって定めれば足りる

《107条の全株式の内容》
全部の株式についての内容についての内容の定めであり、原始定款に定めてあるか既発行の株式の内容を変更するものであるため、その内容のすべてについて定款に定めることが必要

2.具体的な内容

@譲渡制限

《ポイント》
・株式会社が発行する全部または一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について、対象となる株式会社の承認を要する旨を定めることができる。

・旧商法における譲渡制限と同様に、株式会社が承認しない場合は、株式会社自らが当該株式を買い取るか、買受人を指定しなければならない。

・株式の譲渡を一切認めない、という規定をすることはできない。

・定款変更には特殊決議(議決権を行使できる株主の半数以上であり、かつ、当該株主の議決権の3分の2以上にあたる多数による決議が必要となる。

A取得請求権株式

《ポイント》
・取得請求権とは、株主が株式会社に対して、保有する当該株式会社の株式を取得するように請求することができる権利のことを意味する。

・取得の対価としては、社債、新株予約権、新株予約権付社債、その他の財産を当該株主に対して交付することが認められた。

・対価が現金の場合には、旧商法下における義務償還株式に該当する。

・取得請求権付株式の取得請求に対して交付する財産の帳簿価額が当該請求日における分配可能額を超えているときは、取得請求は認められない。

・定款変更には、特別決議が必要。

B取得条項付株式

《ポイント》
・取得条項とは、一定の事由が生じた場合に、その発行する株式を株主による同意なしに取得できる権利を意味する。

・一定の事由を「株式会社が別に定めるある特定の日が到来すること」と設定することも可能であり、対価を現金とすると、社債のような性格を持つ株式とすることができる。

・株式の一部を取得する場合には、その取得対象の決定につき、案分比例や抽選の方法によるなど、株主平等の原則に反しない方法による必要がある。

・定款変更には株主全員の同意が必要。


次回は、108条に基づく種類株式について整理をする予定。



会社法107条
posted by Serendipity at 19:40| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月18日

会社法(2):会計参与への期待は過剰期待?

2006年5月1日の会社法施行により新設された機関である「会計参与」について、中小企業での設置を銀行が後押しする仕組みが出始めている。

税理士や会計士が中小企業の決算書作成に主体的に関与することにより、中小企業の決算書の信頼性を高め、信用リスクを縮小しようという意図だ。

しかし、会計参与の株式会社・第三者に対する責任については、社外取締役と同じ扱いを受けること、株主代表訴訟の対象にもなること、などを考慮すると、@会計参与の就任を承諾する会計士や税理士がどれだけ存在するのか、A会計参与に対する報酬が当該リスクを反映したとき、大きな負担にならないか、等の問題が生じることが想定される。

会計参与の制度がどの程度利用されることになるかは、会計参与を置くことにより、株式会社の信頼性向上にどの程度寄与することができるのか等、今後の制度の運用にかかっていると言える。


さて、ここでいう「会計参与」とはいったいどのような役割を果たす機関として新設されたのだろうか。

以下、アドバンス新会社法(長島大野常松法律事務所編)を参考にしながら、会計参与についての基本事項を整理したい。

1.会計参与の設置(379条2項)
会計参与は、会社法で新設された機関であり、人数について特に規定はない。

2.会計参与になるための資格(333条1項・3項)
以下の者は会計参与になることはできない。
@公認会計士(監査法人)または税理士(税理士法人)でない者
A会社またはその子会社の取締役、監査役もしくは執行役員または支配人その他の使用人
B業務停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
C税理士法43条の規定により同法2条2項のに規定する税理士業務を行うことができない者

顧問税理士は使用人ではないので、顧問税理士の立場のまま、会計参与に就任できる。

3.会計参与の選任手続き
会計参与の選任方法(株主総会の決議による選任)および補欠会計参与の選任については、取締役の場合と同様の規定が適用される(329条、341条)

4.会計参与の善管注意義務
株式会社と会計参与との関係は、委任に関する規定に従うため、会計参与は株式会社に対して、善管注意義務を負う。しかし、取締役と異なり、忠実義務を定める規定はない。

5.会計参与の役割と権限
@計算書類等の作成
会計参与は、取締役と共同して、計算書およびその付属明細書、臨時計算書類、ならびに連結計算書類を作成し、会計参与報告書を作成しなければならない。(374条1項)
会計参与は上記の職務遂行にあたり、いつでも会計帳簿またはこれに関する資料の閲覧・謄写をし、または取締役等に対して、会計に関する報告を求めることができる。(374条2項)

A監査役会、監査役、監査委員会または株主への報告義務
会計参与は、取締役等の職務の執行に関して、不正の行為や法令もしくは定款に違反する重大な事実を発見したときには、遅滞なく、これを、株主、監査役、監査役会または監査委員会に、それぞれ報告しなければならない。

B取締役会への出席義務
以下の取締役会に会計参与は出席し、必要があると認められるときには意見を述べなければならない(376条1項)。よって、以下の取締役会については、会計参与は召集通知の対象となる。
(a) 各事業年度に係る計算書類おおび事業報告等を承認する取締役会
(b) 臨時決算日に係る臨時計算書類を承認する取締役会
(c) 各事業年度に係る連結決算書類を承認する取締役会

C株主総会における意見陳述
計算書類等に関する事項について、会計参与が取締役と異なる意見を持つ場合には、会計参与は株主総会で意見を述べることができる。

D計算書類等の備置
会計参与は計算書類等を一定期間、会計参与が定めた場所に備え置かなければならない。

6.会計参与の株式会社・第三者に対する責任
社外取締役と同等の扱いを受け、株主代表訴訟の対象にもなる

(以下、黒字は引用文)
中央三井信託や三菱東京UFJ、「会計参与」導入で融資優遇。
2006年5月15日付 日本経済新聞 朝刊

中央三井信託銀行や三菱東京UFJ銀行が5月1日施行の会社法に盛り込まれた「会計参与」を導入した中小企業を対象に、融資条件を優遇するサービスを始めた。

中央三井は倒産時などに代表者の個人財産も求める「代表者保証」を借入企業に免除する。

三菱UFJは、通常よりも融資金利を年0.75%低くするか、代表者保証をなくすかなどの選択肢を設けた。税理士や会計士の全国組織「TKC全国会」の会員が会計参与に就いている企業を対象にする。

会計参与は会社の取締役や執行役とともに決算書類を作る専門家。公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人が会計参与になれる。

新会社法施行で北洋銀、「会計参与」設置で金利優遇、中小向けリスク減可能に。
2006年4月28日付 日本経済新聞 地方経済面 (北海道)

北洋銀行は27日、5月の新会社法施行に伴って中小企業が設置できるようになる「会計参与」を置く企業に対して融資条件を優遇すると発表した。

通常金利に比べ0.5%低くする。会計参与が財務諸表の信頼性に責任を持つことから、取引先のリスクを回避しやすくなると判断した。

会計参与とは税理士か公認会計士の資格を持つ社外役員で、貸借対照表など財務諸表を経営者と共同で作成する役割を持つ。

企業で不正な経理処理が行われた場合は、株主代表訴訟の対象となり、責任を問われる。ただ設置は経営者の任意。

対象となるのは無担保の小口融資商品である「クイックローン」。金利を.0.5%優遇するか、経営者の個人保証を免除する。

これまで北洋銀は企業が財務諸表について税理士からチェックを受けたことを証明すれば、0.25%金利を優遇してきた。ただ法的な裏付けはなく、不正経理があっても、税理士の責任を問うことはできなかった

仙台銀が無保証融資、5月、新会社法施行で、中小向け拡大に弾み。
2006年4月14日 日本経済新聞 地方経済面 (東北B)

仙台銀行は5月をめどに、代表者の保証を求めない新型の融資制度を導入する。

5月の新会社法施行に伴い導入される「会計参与制度」を活用し、同制度を導入した企業に対しては原則として無保証とする。
政府系金融機関などで無保証融資は導入されているが、地域金融機関では珍しいという。企業の健全性や成長性に着目した制度の導入により、中小企業向け融資の拡大に弾みをつける。

従来、企業への融資の際は通常、代表者の保証を求めていた。同行では、会計参与制度を導入すれば会計書類の適正化が図れるほか、信用力向上にもつながり、銀行のリスクが高まることはないと判断。自治体の制度融資など保証を条件とするものを除き無保証とする。

金利の上乗せなどはしないが、大掛かりな設備投資の場合は設備を担保にするなど、担保はケースバイケースの扱いとする。経営破綻時に経営者の再起を阻むリスクが回避できることから、融資拡大につながるとみている。

同行は4月の組織改正で、法人の新規顧客開拓を専門に手がけるチームを発足させるなど、新規取引先開拓に力を入れている。今回の無保証融資についても、これまで取引実績のなかった企業にも適用することにしており、新規取引先の掘り起こしにつなげる。

会計参与制度は5月の新会社法施行に伴い導入される仕組みで、公認会計士や税理士の有資格者が取締役と共同で決算書類を作成する。これまで会計監査を受けていなかった中小企業の決算書の信頼度を高め、企業統治(コーポレートガバナンス)を強化するねらいがある。
posted by Serendipity at 14:23| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月15日

会社法(1):株式会社における取締役会の設置の有無について

2006年5月1日に施行された会社法への対応が進んでいる。

気づいたニュース等について、自身の理解を深める目的もこめて、このブログにアップしていこうと思う。

今回取り上げたいのは新日鉱ホールディングス傘下のジャパンエナジーと日鉱金属において、取締役会・監査役会を設置しない機関設計を行う、というニュースについて。

[所見]
取締役会は従来の機関設計ではガバナンス上、欠くことのできない存在だが、完全支配下にある会社において、取締役会が実質的に形骸化している、という事例もあるだろう。

上記のような場合には、取締役会は意思決定の迅速化を阻害することになり、実質的に設置することのコストばかり顕在化することになる。

今回の新日鉱ホールディングスの決定は上記のような弊害の除去という観点から理解できる事例だと思う。

[法的理解]
さて、法的な理解を整理したい。

会社法では、株主総会と取締役会以外の各機関を定款に定めることによって、任意に設置することができるが、その設置については以下のルールに従うことが必要。(以下、「アドバンス新会社法」長島大野常松法律事務所編を参考。一部引用)

(1)取締役の設置(326条1項)
・株式会社は、1人または2人以上の取締役を置かなければならない(326条1項)

(2)定款の定めによる各機関の設置(326条2項)
・株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人または委員会を置くことができる(326条2項)

(3)公開会社等における取締役会(327条1項)
・公開会社、監査役会設置会社および委員会設置会社は、取締役会を置かなければならない

(4)非委員会型取締役会設置会社における監査役(327条2項)
・非委員会型取締役会設置会社は、監査役を置かなければならない。
・ただし、株式譲渡制限会社である会計参与設置会社については、その必要はない。

(5)委員会設置会社でない会計監査人設置会社の監査役(327条3項)
・委員会設置会社でない会計監査人設置会社は、監査役を置かなければならない

(6)委員会設置会社における監査役(327条4項)
・委員会設置会社は、監査役を置いてはならない

(7)委員会設置会社における会計監査人(327条5項)
・委員会設置会社は、会計監査人を置かなければならない

(8)大会社における監査役会・会計監査人(328条1項)
・大会社(株式譲渡制限会社および委員会設置会社は除く)は、監査役会および会計監査人を置かなければならない

(9)株式譲渡制限会社における会計監査人(328条2項)
・株式譲渡制限大会社は、会計監査人を置かなければならない

今回の新日鉱ホールディングスの事例については、(3)(4)がポイントとなる。

(3)に関して:取締役会設置の強制について
僕の興味としては、PEによる投資後に対象会社を株式譲渡制限会社とした場合に、取締役会を設置するか否かという点だ。

外部から経営者を一定程度登用する場合(MBOも含む。ほとんど場合が該当すると思うが)にはもちろんだが、どのような投資においても、完全にHands-onで経営するわけには行かないだろうから、チェック機能としての取締役会は必須となろう。投資スタイルにも大いに左右されると思うが。

(以下、アドバンス新会社法より引用。一部語彙解説を追加。)
...取締役会を設置するか否かは、株主総会が決議することのできる事項に対する制限の有無(295条2項)など、所有と経営の分離を前提とする機関設計を行うか否かの大きな分水嶺となる。

すなわち、公開会社(Serendipityによる追加:発行する全部または一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社のこと。株式を証券取引所に上場している、いわゆる"公開会社"のことをさすわけではない。もちろん、定義より明白だが、いわゆる"公開会社"も会社法上の公開会社となるが。)の場合には、所有と経営の分離の程度が類型的に高いと考えられるため、取締役会の設置が強制される。

また、監査役や委員会は、所有と経営の分離を前提とした監督機関として位置づけられるため、監査役会設置会社および委員会設置会社においても、取締役会の設置が前提とされたものと考えられる。

これに対して、それ以外の株式譲渡限会社(Serendipityによる追加:新日鉱HDのプレスにある"非公開会社")については、有限会社法上の有限会社と同様に、取締役会の設置を強制することなく、株主が直接経営に参画することが可能とされている。


(4)に関して:監査役設置の強制について

(以下、アドバンス新会社法より引用)
...株式会社が取締役会を設置する場合には、その会社の業務執行を取締役会が決定することを意味するから、同時に委員会を設置しない限り、株主に代わって取締役会を監視する機関として、少なくとも監査役を設置することが要求される。

ただし、株式譲渡制限会社の場合には、監査役の権限を会計監査権限に限ることも可能であるとされたため(398条1項)、それとのバランスから、監査役の代わりに会計参与を設置すれば足りるとされている。

なお、その場合には、株主に取締役会召集請求権等が認められることになる。(367条)...


機関設計については、商法から会社法への移行によって、大幅に変更されたため、次回以降、一度しっかりと整理をしておきたいと思う。

会社法関連のお勧めの図書は「アドバンス新会社法」(長島大野常松法律事務所編)だ。



(以下、黒字は引用文:PDF版)
報道各位
2006年05月10日

新日鉱HD

中核事業会社における新機関設計の採用について

新日鉱ホールディングス株式会社(本社:東京都港区虎ノ門二丁目、社長:清水康行)の中核事業会社である株式会社ジャパンエナジー(本社:東京都港区虎ノ門二丁目、社長:高萩光紀)及び日鉱金属株式会社(本社:東京都港区虎ノ門二丁目、社長:岡田昌徳)は、本日、各取締役会において、下記のとおり新機関設計を採用することを決定しましたので、お知らせします。



1.採用の趣旨 去る5月1日に施行された新会社法においては、大会社(資本金5億円以上又は負債200億円以上の会社)であっても非公開会社(株式の譲渡に会社の承認を要する旨の定款規定がある会社)については、取締役会・監査役会を置かない機関設計が認められたため、新日鉱グループの中核事業会社であるジャパンエナジー及び日鉱金属については、こうした機関設計を採用することにより、迅速な意思決定の実現及び役員体制の簡素化を図り、もって一層の経営の効率化に資する。

2.具体的内容
(1)ジャパンエナジー及び日鉱金属の各社を非公開会社としたうえ、取締役会、監査役会及び執行役員会を廃止する。
(2)従来の取締役会付議事項を株主総会付議事項と社長決裁・報告事項とに分類し、これらに関する事前協議・報告機関として「役員会」を新たに設置する。

3.採用時期
本件は各中核事業会社の定款変更を必要とするため、本年6月26日開催予定の各社定時株主総会で決議のうえ、同年6月28日をもって採用する。

以上
posted by Serendipity at 22:46| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月20日

会社法の大枠を理解する:ここ数年の商法改正とのつながりもあわせて

会社法の施行も間近となった。

商法については、ここ数年の商法改正の流れについても、ファイナンスやM&Aに関連する箇所については、相当押さえてきたつもりだったが、今回の会社法で、ガラガラポン状態になってしまった感じがする。

目下、読破に挑戦しているのが、「アドバンス 新会社法」(長島大野常松法律事務所編集)。
実務的なポイントも網羅されており、非常に読み応えがある。

ただ、条文の理解となると、(旧)商法とのつながりも押さえておきたいので、手許には「新会社法全条文」(前田 雅弘,北村 雅史 編集) を置いている。「アドバンス 新会社法には解説に逐一条文が記載されているので、「新会社法全条文」で照らし合わせると、旧商法とのつながりがよく理解できる。

いずれにしても根気のいる領域だが、一度通読しておけば、そのたくわえがまた活きることを信じてがんばるじょ〜。

Investment Bankerにとっては必読書だと思います。



posted by Serendipity at 02:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2005ブルゴーニュ 2005ボルドー ルイ・ロデレール 日比谷花壇 フラワーギフト 花のあるギフトセット アフィリエイトならリンクシェア JAL日本航空 先得

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。